ペルツェ素子で水を冷やしてみた。
ペルツェ素子という、興味深いものがある。
数cm四方の板状の部品で、電気を流すと片面が熱くなり、もう片面が冷たくなるというもの。
素子単体では、千円程度で、小型の冷蔵庫なんかに応用されている。
以前に、物置用の冷房を作れないかと思って挑戦したんだけど、出力が弱過ぎて実用化できず、保管していた。
それが、先日会社で、先輩の荷物の片付けを手伝っていたら、なんかの記念品として作ったというアルミ製のコップをくれて、これはペルツェ素子で冷やすにはもってこいだと思い立って、再び実験を試みることにしたのだ。
○実験の目的
ペルツェ素子を使うことで、冷蔵庫を使わずに冷たい飲み物を飲むことができるか検証すること。
○実験装置
実験装置は、以下のようなもの。
ちょっと大きめだけど、パソコンやサーバのCPUに使うヒートパイプに、ペルツェ素子を付けて、その上に水が入ったコップを乗せただけ(右上)のシンプルなもの。
電源(左下)もパソコン用のもので、CPU用の12Vをペルツェ素子とヒートパイプのファンに供給するようにした。
以下の写真が、ペルツェ素子の拡大図で、白い板がペルツェ素子の本体。
ヒートパイプとペルツェ素子のあいだには、CPUのグリスを入れて固定している。
○実験方法
コップに、水100mlを入れてスイッチを入れて、水温と時間を計測する。
○実験結果
水温24℃、室温25℃で実験開始。
水温14℃までは、2分に1℃の割合で水温が低下。
そこから先は、5分に1℃の割合で水温が低下した。
水温が10℃まで下がった時点で実験終了。
○感想
以前に冷房に挑んだ時には、空気の温度は、20℃までも下げられなかったが、今回は水を、10℃まで冷やすことができた。
このことから、以前の実験では、ペルツェ素子と空気との間の熱交換がネックになっていたと推察される。
今回は、実験前には、ペルツェ素子とコップとの間の熱伝達がネックになるかと思っていたが、実験結果を見ると、これはたいした問題ではなかったようである。
こんなに簡単に冷えると思ってなかったから、コップは軽くゆすぐぐらいしかしてなかったけど、せっかく冷えたし体感しなくてはと思って、水を口に含んではみたものの、ちょっと飲み込むのは断念した。
ちゃんと洗っとけば良かった。
このような装置では、水を冷やす以上に、熱を逃がさないといけないので、気温が上がることになるし、水を冷やしたいなら氷を入れた方が早いんだけど、職場の机のなど、氷を手に入れにくい場所で、冷たい飲み物を飲みたい時には、使えるかもかもしれない。
職場に持って行って使ってたら、なんて言われるかな。
試してみたい気もするけど、それはまた別の実験と言うことで。